Codex CLI の customcommand は、頻出タスクをコマンド化して再現性を高めるための仕組みです。自然言語で書いた手順書をそのまま実行し、MCP サーバーや既存スクリプトを組み合わせながら安全に自動化できます。本記事では設定ファイルの位置づけから、nightmustend.net の WordPress 投稿フローに適用するまでの流れを解説します。
customcommand とは
~/.codex/prompts/ 配下に置いたファイル名がそのまま /コマンド名 として登録され、ターミナル上の Codex CLI から即実行できます。Markdown 本文でプロセスを記述できるため、条件分岐や確認ダイアログなどの業務ルールも自然言語で表現できます。
- コマンド定義:
arguments.md→/argumentsのようにファイル名がコマンドに対応 - サンドボックス継承: Codex CLI の sandbox/approval 設定がそのまま適用され、破壊的操作は必ず事前確認
- ナレッジ共有: Git 管理した手順書をチーム全員で再利用でき、オペレーションの属人化を防止
環境と設定ファイルの構成
nightmustend.net では customcommand とリポジトリ固有の仕様書を分離して管理しています。全体像は次のとおりです。
~/.codex/
└─ prompts/
└─ arguments.md # /arguments コマンドの定義
プロジェクトルート
└─ prompt-argument.md # 投稿ワークフローの仕様(YAMLフロントマター)
~/.codex/prompts/arguments.md
共通部分では、呼び出し対象の設定ファイル探索と YAML/JSON のパース手順を定義します。抜粋は次のとおりです。
このカスタムプロンプトは /arguments というコマンドで呼び出されます。
# 命令(指定ファイルを読み込み、その記述どおりに実行)
...
ここで prompt-argument.* を探し、取得できた仕様に合わせて MCP ツール呼び出しやシェル操作を段階的に進めます。
prompt-argument.md
リポジトリ側の仕様書は YAML フロントマターでワークフローを宣言します。技術記事向けの例を抜粋します。
workflow: blog_post
post_type: "技術記事"
title: "サンプル: CodexとMCPでWordPress自動投稿"
outline:
- heading: "概要"
body: "Codex CLI と MCP を使って WordPress に自動投稿する手順のまとめ。"
- heading: "手順"
body: "カテゴリ/タグ抽出、サムネ生成、下書き作成、ファクトチェック、公開まで。"
customcommand はこの仕様を読み取り、投稿タイプに応じたテンプレート・タグ抽出・Amazon リンク挿入などの処理を自動化します。仕様ファイルを差し替えれば同じコマンドでコードレビューや検証タスクにも応用できます。
手順
WordPress 投稿フローを customcommand に委ねる場合の処理順序は以下のとおりです。投稿タイプ判定から公開まで、一つのコマンドで実行できます。
- MCP サーバー(
wordpressと画像生成系)の接続確認 - 投稿タイプとカテゴリ候補の抽出(
docs/custom_instruction.mdを参照) - テンプレートに沿った本文生成と Amazon アソシエイトリンク挿入
- サムネイル生成(Imagen4 Ultra → 失敗時は Imagen3 Fast)
- メディアアップロードと
featured_mediaの設定 - WordPress の
createPost(下書き)とupdatePost(公開) - ファクトチェックとログ出力

ユースケース
nightmustend.net の投稿ワークフロー
当サイトでは、customcommand と MCP を組み合わせて以下を自動化しています。
- カテゴリー ID の自動取得/未存在時は新規作成
- タグ抽出 → WordPress MCP での登録(重複チェック込み)
generated_thumbnails/_designed/<POST_ID>.jpgへのサムネイル保存とメタ設定- Draw.io で設計した手順図の PNG 書き出しと本文への挿入
- Amazon アソシエイトリンクの自動付与と検証ログ記録
その他の活用例
- リリース手順書の自動実行: テスト、バージョン更新、CHANGELOG 追記を 1 コマンドで実行
- オンボーディング教材: 開発環境構築から初回コミットまでをシナリオ形式で案内
- ピンポイントなコードレビュー: 指定ディレクトリを走査し、社内スタイルガイドに照らして指摘を抽出
運用ベストプラクティス
- customcommand 本体(dotfiles)とリポジトリ固有の仕様書を分離し、責務を明確化
- MCP サーバーは
~/.codex/config.tomlの[mcp_servers]で切り替え、画像生成はフォールバックを併用 - 承認ポリシーを
on-requestなどに設定し、外部送信や破壊的操作前の確認を徹底 - 仕様更新時は
prompt-argument.mdの差分をレビューし、影響範囲をチームに共有
まとめ
Codex CLI の customcommand を活用すれば、自然言語で書いた手順書をそのまま自動化でき、MCP ツールや既存スクリプトを組み合わせて再現性の高い運用を構築できます。nightmustend.net の投稿ワークフローのように一度設計すれば、毎回同じ品質で成果物を届けられる点が最大のメリットです。
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